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2010年09月29日
【デジスコ用雲台シリーズ】 ⑤パーン棒と微細調整
デジスコの場合、雲台にはパーン棒という「への字」に曲がり取っ手のついたものを使います。
例えば、デジイチの場合はパーン棒はあまり使われません。
デジスコはパーン棒をもって上下左右を操作します。それにひきかえデジイチはカメラボディーを持って指でシャッターを押す動作を同時に行います。稀に電子レリーズを使ってカメラを持たずに撮影されている方もいますが、デジイチの場合、レフミラーやフォーカルプレーンシャッターの自己発生振動が強く、振動防止のために電子レリーズを使うという意味はあまり無いようです。友人は「しっかりレンズとボディーを両手で押さえ込むように写すと良い」というような話もしているほどです。
デジスコはカメラからの発生振動はほとんど無いので、撮影時は機材から手を離してケーブルレリーズでそっと写します。その際、カメラから少し離れた位置に取っ手があると操作しやすいと言えます。
また、より大きな円弧のほうが「ちょっと動かす」時にも有利です。画角が小さいので雲台の角度移動はほんとうに僅かです。例えば、ビデオ雲台の場合、粘性オイルや摩擦抵抗を上回り、かつ、三脚&雲台のタワミと戦いながら操作しなければなりません。
このパーン棒の設計ってすごく難しいのです。一部のビデオ雲台には伸縮調整つきのパーン棒が装備されているものもありますが、ほとんど大型ビデオ雲台です。もちろん重量もしっかりあるのでデジスコシステムには不向きです。
ちなみに究具01ジンバル雲台用のパ-ン棒は太さや取っ手、長さ、曲げ角度などを徹底的に最適化して、通常の1/3程度の重量に仕上げてあります。
天体望遠鏡などで重宝する微動機構のついた雲台もありますが・・・野鳥撮影ではあまり使わない機能と(まあ、あっても良いですが)感じました。ものすごく剛性の高い三脚・雲台システムであれば、「野鳥を真ん中に導入」「パーン・チルトの微動ノブを回す」「シャッターを切る」という流れでイメージできるのですが、軽量デジスコシステムでは機材の中心部を触って「回す」という応力をかければ機材は必ずタワミます。このタワミ・・全身写っている野鳥なら頭1つ分ぐらい簡単に発生します。しかも手を離した瞬間にそのゆり戻しやブレが起こります。
シンガポールで写したタイヨウチョウの仲間です。究具01ジンバル雲台ならではの超速操作の賜物です。
私はジンバル雲台を設計する際、ジンバル赤道儀を参考にいろいろな実験をしました。微動機構に変わる調整法はないかとかなりの試行錯誤をしました。その答えが、究具01ジンバル雲台です。
10m先の野鳥が止まっている木の枝、わずかなそよ風でも平気で数cm上下・左右・前後に動いています。このような状況の中で微動機構を操作して位置決めしたところでタワミの発生とゆり戻しや手ブレでせっかくの撮影チャンスを機会損失するほうが多くなるのなら、パン棒の端部を軽く持ち、タワミの発生しない低摩擦の状態で少しだけ位置を送ってやれば三脚・雲台に応力が残ることが無いので素早く位置を動かし、静止状態にすることができます。即、連写をはじめれば3~4枚は間違いなく多く写せます。その間、1~2秒のことですが野鳥撮影の大半がこの1~2秒が勝負の時なのです。
微動機構のノブを回し、位置を決めてタワミを解放させるまでの時間って1~2秒でできる達人って絶対にいないと思います。(いたらごめんなさい)
上下・左右・前後の重量バランスが完璧に取れているジンバル雲台ならばこそのメリットであり、他のあらゆる雲台ではできない大きな特徴です。
②大きさと耐荷重
③軽量・高剛性
④ワンアクションの簡単操作
⑤パーン棒と微細調整
⑥ビデオ雲台
⑦ジンバル雲台
投稿者 たーぼ♪ : 2010年09月29日 16:49