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2011年09月07日
【デジスコの特徴を活かした撮影】 ④無振動が活かせる撮影
デジイチの場合、「三脚を使うのが面倒なんだよ」「手持ちで手ぶれ補正かけてバシバシ写せばいいんだよ」とおっしゃる方もいらっしゃいます。事実、私もサブ機で同様な写し方をすることもあります。しかし、焦点距離500mmを超えるシステムで手持ち撮影をする場合、シャッター速度を1/500秒以上にしなければブレが画質に強く影響してしまいます。画質を気にするベテランカメラマンは手ぶれ補正がついていても【ブレが起きにくいシャッター速度=1/焦点距離】という公式に当てはまるような機材・撮影設定をしていると思います。つまり、焦点距離が長ければ長いほど光量が必要ということになります。直射日光が当たり、野鳥にものすごく近づける条件であれば手持ちで500mmも可能でしょう。しかし、そんな良い条件はなかなか無いので、多くの場合は撮影機会を無駄にしていると言えます。
そこで、三脚を使うのですが手ぶれはかなり軽減できますが、次に起こる障害は「レフミラーの振動」「フォーカルプレーンシャッターの振動」「巻き上げモーターの回転慣性」が画質に悪影響を及ぼします。撮影者のスキルや三脚・雲台の性能にも左右されますが、1/100秒以下のシャッター速度ではボヤッとした眠い絵になることが多いと思います。これは、カメラ自体が数十ミクロンの振幅を持って振動することによって撮影倍率と比例してシステム全体が増幅振動することが原因です。結果として微細なブレとして画質を劣化させる原因になり鮮明さに欠ける眠たい写真になります。
デジスコに使われるカメラはコンパクトデジカメと呼ばれるレンズ付きの小さな撮像素子を持つものです。1画素当たりの受光容量が小さいので同じ画素数の大きな撮像素子には画質面で不利と考えられますが、実際の作例を見て頂ければわかるとおり、鮮明で色鮮やかな写真が写せます。これは、レンズ内に配置されたシャッターが極めて小型軽量で、画質に影響を及ぼす振動を発生しないため、シャープでクリアな画質を提供することができるからです。また、この無振動であることが、従来の野鳥撮影では考えられなかった3000mm超の焦点距離での撮影を可能にしました。接眼レンズの倍率を高めれば10000mmに及ぶ撮影も可能となります。
シャッター速度を上げるためにISO感度を上げなければならないデジイチに比べ、デジスコは無振動撮影ができるため画質の良い最低ISOに設定して超低速シャッターで写すことができます。デジイチが1/100秒以上のシャッター速度でしか写せない条件下でも被写体が動かなければ1/1秒という驚くべき低速で写すことができます。薄暗い条件であっても鮮明で高画質な写真が写せるわけです。
無振動撮影であることが、高倍率撮影においても鮮明で色鮮やかな作品を写せることの理由が理解できたと思います。
投稿者 たーぼ♪ : 2011年09月07日 10:33