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2020年06月23日

①SONY RX100VIIでデジスコ カメラ性能

SONY DSC-RX100VIIを使用したデジスコが史上最高に快適なデジスコになることが確認された。
①カメラ性能
②作例
③パーツ詳細
の3項目を順次記事にしてみる。

■RX100は7代目
2019年6月に発売となったDSC-RX100VII。2012年に発売となり、デジスコご用達DSC-RX100(初代)から営々と進化を続け7代目。しかも、すべてのモデルが現役で今でも市販されているというモンスターモデルである。

■メモリー積層の超高速センサーは異次元の速さ
1型2010万画素センサーを搭載していることは共通だが、センサーは5代目からExmor RS CMOSセンサーというメモリー積層の超高速処理のセンサーに進化している。

■α9搭載のBIONZ Xが演算
Sony α9でも採用されている最高20コマ/秒の連続撮影時、最大60回/秒のAF/AE演算処理ができるCPU BIONZ Xはコンデジの常識を塗り替えたことは間違いないと思う。

■搭載レンズがTSN-VA3とピンポイント&ベストマッチ
レンズは焦点距離(35㎜換算)、24㎜広角~200㎜望遠をカバーする万能型となった。一般的なデジスコ用接眼レンズでは相性が悪く興和TSN-VA3のみ許される相性となる。従来主流の50㎜を中心としたものではアイレリーフが大きく不足してしまい事実上ケラレが多すぎて使い物にならない。TSN-VA3との組み合わせならばシステム焦点距離900㎜~2800㎜をケラレや周辺減光を気にせずに使える。明るさはカメラ解放F値で900㎜F4.0~2800㎜F4.5を示していた。VA3は接眼レンズではなくフォト&ビデオアダプターx14レンズであり、残念ながらカメラを外して野鳥観察をするのは難しい。

■図抜けた爆速AFには誰もがカルチャーショックを受ける
デジスコ的に言えば、とにかく俊敏に動く。357点の像面位相差検出AFに加えて、コントラスト検出AF枠レンズ駆動で世界最速0.02秒。初代を使いこなしている方にはイメージとして3倍以上早いと言えばわかりやすいかも知れない。
AFも撮影画面を見ているだけでも「え?コンデジ?」と驚かされる。細かく広いAF枠に測距マークが被写体を追い続けているのがわかる。初代、2代目を愛用していた筆者としては特技のミラクルな撮影技術を駆使しなくてもAFはやたらに速く正確に動き、連写が速いこと、記録枚数が多いことで成功写真を間違いなく増産してくれる。

■光学ファインダーを見ているような画面表示
連写中のブラックアウトが見えないので瞬きの無いシームレスな表示は新鮮そのもの。光学モニターを見ながら撮影している気分になる。この特徴はすぐに慣れるのだが、従来のブラックアウトのある連写画面を改めて見るとギクシャクした画面にショックを受ける。

■使える電子シャッター
電子シャッターで撮影すると記録時間差のためローリングシャッター現象(コンニャク現象)と言われる直線が曲線になってしまうため違和感があったが、センサーにメモリーを積層した高速記録の効果で解消された。メカシャッターでは1/2000秒が上限になり、明るすぎる時には露出オーバーとなり上手に絞らないと簡単には写せないことが多かった。デジスコの場合、20枚/秒の高速連写設定がなされていることが多く電子シャッターが常用されるためローリングシャッター現象なしに安心して写せるのは助かる。最速1/32000秒まで切れるので1/10秒の低速シャッターから事実上上限なしのシャッター速度まで露出解放設定だけで自動調整してくれる。
 シャッター速度との相関で1/60秒以下のシャッター速度領域では1/60秒で縛られたまま強引に真っ暗な写真を量産するカメラも存在した。RX100VIIにおいては暗くてシャッター速度が遅くなっても適切な調整がなされ、例え、1/10秒の低速シャッターでもそれに合った連写速度に調整されるので不安はない。

■どこまでも追いかけるAF、リアルタイムトラッキング
AIというものに無縁に近かったコンデジの世界だが、レリーズ半押しで認識させた被写体を撮影者の操作よりはるかに速く画面上で追いかける。もちろん、デジスコ独特のピント幅の中でだが、野鳥撮影において止まりものなら従来機の倍ぐらいのピント幅がありそうである。半押しで一度捉えたら良いシーンまで待つもよし、連写し続けるもよし、AIの恩恵を受けることができる。

■タッチトラッキングとは
例えば3羽が画面上にいるとする。液晶画面でその一羽にタッチすると、その個体のピントを追い続ける機能。液晶フード使用の私は、フードから指を突っ込めるように一部を切り取ったものを使っている。

■多彩なAF機能をカスタマイズできれば自分だけのAFを作れる
直感的なタッチフォーカス、タッチシャッター、タッチパッド機能、なにやら使えそうなフォーカス位置循環、425点AF細分化表示、その他様々な合焦機能を使いこなせれば撮影がより簡単になる。

■幅広いZOOM焦点距離
単焦点フォトアダプターTSN-VA3(14倍)で24㎜~60㎜を除く60㎜~200㎜(900㎜~2800㎜)のシームレスなズーム撮影ができる。3倍強のズーム撮影がこの小さなカメラでできるのが嬉しい。ズーム倍率による画質の劣化は見受けられない。


■デジスコにおいては明るいカメラ
ワイド端はF2.8と驚く数値ではないが、開放で撮影すれば60㎜~200㎜までF4~F4.5で写せている。カメラ表示F値ですべてが語れるわけではないが、900㎜~2800㎜の焦点距離でカメラはF4.5以内で認識しているということは明るいシステムと考えても良いであろう。

■手振れ補正
最大4段の手振れ補正能力があるのだがデジスコでの効果は不明である。焦点距離200㎜で4段分であれば少しは効果が出そうな気もするが、立証までにはもう少し経験が必要。

■ホワイトバランス
特に中央重点やスポット測光にすると色合いが変わってしまうことが起こりやすい、もちろんAWBは最新の判断基準で駆動しているので心配はないのだが、心配であればHDR機能含めてカスタマイズして使うことができる。

■測光能力が高いと狙い通りの明るさで写せる
「マルチパターン測光」「中央重点測光」「スポット測光」に加え、「ハイライト重点測光」と「画面全体平均測光」を搭載。1200ポイントをリアルタイム測光&評価は撮影者の強い味方になる。

■シャープネス設定のパラメータが広がった。
もともとの画質レベルが高くなければ意味のない拡張であるが、ここ数年はコンデジの性能が上がり、カメラ本体の付与範囲に不足を感じていた。撮影後のシャープネス加工がなくなれば画像データ処理時間が短縮できる。


■■■総評(考察)
筆者は20年間、100台を超えるデジスコ用カメラを評価してきたが、マニュアル感の強かったデジスコが一気に自動化された感じである。もちろん、小さなセンサーを徹底活用した超高倍率コンデジに比べ、三脚・雲台は必須なのでまだまだハンドリングは悪いが、デジスコはコリメート法による高い焦点距離と1型センサーの画質は特筆されるものである。
過去に評価したデジスコシステムの中で最も簡単に写せ、最も素早い反応を示した。反応速度が圧倒的に速く正確なのでまばらに切り取られた映像の中に隠されたシーンを捉えることができるシステムになった。焦点距離は900㎜~2800㎜と5000㎜まで写せるシステムに比べ、控えめではあるがデジイチに比べれば2~3倍の焦点距離で精緻な2000万画素の写真を写せるのである。マニアックに特筆すると、ワイド端が900㎜から使えることもデジスコとしてはメリットと言える。従来が1300㎜ぐらいであったことを思うと「引き」のデジスコができる。もちろん、センスのある人なら飛翔写真も写せるであろう。
とても残念なのはワイドで高ハイアイなフォトアダプターTSN-VA3を所有していないと実現できないシステムであること。市場には数千本発売されているはずなので多少であれば代替できるが専用カメラブラケットを市販化する量には届かないので一部のユーザーのみ楽しめるシステムとなってしまう。
別項にて記事にするが、デジスコ動画、いや、ビデスコとしての適性も非常に高い。外部マイク端子が装備されたことや、レンズ駆動振動も小さめであるため外部単一指向性マイクを装着すれば4K動画の撮影ができる。超望遠で揺らさずにズーミング録画ができる。動画をやっている方には吉報ではないかと思う。

このシステムを所有するチャンスがある方には、自信をもってオススメします。スコープ・カメラの今後の進化を考えても大きく変わることのない完成形と言っても過言ではないと思う。興和さんがTSN-VA3を100台作ってくれたらカメラブラケットを100台作ります(笑)


投稿者 turbo : 2020年06月23日 13:41

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