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2008年07月14日

デジスコ技術コンテストでのビデオ雲台に対するジンバル雲台の優位性の考察

2008年5月17日と18日にTBF2008のデジスコドットコムブースにて
に行われたデジスコ技能コンテスト参加者29名の方のデータを元に客観
的な判断の元に行ったものです。

1.技能コンテストの内容
用意された5個の的をデジスコ機材で合図と共に画面の真ん中に導入、ピ
ント合わせを行いタイムと的の導入及びピントの正確性を競う競技です。
デジスコ機材のデジタルカメラは動画モードで記録しました。
デジスコ機材は2セット用意し雲台にビデオ雲台(ベルボン FHD-61Q)を
使用したセットとジンバル雲台(デジスコドットコム 究具01)を使用した
セットを用意し両方のセットで同じ競技をして頂きました。

コンテスト風景

2.評価方法
a.競技時間
競技開始の合図から競技者からの終了の合図までの時間を記録した動画より割り出しました。

b.正確性
下記のピント及び的の導入の平均点の平均点を点数としました

ピント
ピントが合っていない---1点、大体合っている---2点、合っている---3点
それぞれの的について評価し平均点を点数としました。
尚、動画モードでの記録のためAFは使用していません。

的の導入
画面を9分割して
真ん中から外れている---1点、大体真ん中である---2点、真ん中である---3点   それぞれの的について評価し平均点を点数としました。


3.参加者のデジスコ歴の内訳
デジスコ未経験者   10名
デジスコ経験1年未満  9名
デジスコ経験2年以上  2名
デジスコ経験3年以上  3名
デジスコ経験4年以上  2名
デジスコ経験5年以上  2名
回答無し        2名
--------------------------------------------
計          29名

4.デジスコ歴別の結果
 2年以上の方は各々2名以下の人数だったため2年以上ということで
 まとめさせて頂きました。また、未回答の方は2年以上に組み入れさ
 せていただきました。

表1


ビデオ雲台に対するジンバル雲台使用時の向上率

表2


このコンテスト参加者の中で実験として一番分かりやすい結果を残していただいた方のデーターを紹介します。あせることなくかなり几帳面に導入を行い競技をされていた方ですので機材の違いがそのまま出た結果になっていると思います。

表3


ピントの評価についてはわずかにビデオ雲台での1箇所で評価が悪かっただけですので、ピント及び導入に関してはほぼパーフェクトでした。

的、一箇所当たりの所要時間の差が約3.4秒違いますので、実際の野鳥の撮影においてはビデオ雲台では一枚も撮影できなかったが、ジンバル雲台ではしっかり撮影することが出来たというような大きな差になってくることが予想されます。
また、実際に野鳥を目の前にしての撮影では少なからず平常心を失いますので、ビデオ雲台のシステムではさらにあせりを生んでさらに大きな差になります。

5.実験結果からの考察

実験結果から分かるとおり、競技時間は平均で22%短縮しておりデジスコ経験年数に関わらず短縮されています。
正確性についても、同様に平均で16%向上しております。

中にはジンバル雲台よりビデオ雲台での競技時間が短い人もいましたが、正確性のポイントが低く実際の撮影においては厳しい結果となったことが予想できます。

デジスコ未経験者の向上率が平均より低くなったのはデジスコの操作そのものに慣れていないことから、操作に手間どってしまったことが上げられます。

データーにはありませんが導入の正確性においてジンバル雲台がビデオ雲台を下回った方は一人もいらっしゃいません。


つまり、ジンバル雲台を使用するとビデオ雲台に比べて撮影までの時間が20~30%程度早くなり、導入やピント合わせの正確性も15%程度向上します。
導入が早くなることでビデオ雲台のときは間に合わずに撮影が出来なかった野鳥が余裕を持って撮影できるということに繋がります。

一例としてあげた表3の方のように的 一箇所当たりの所要時間の差に3.4秒の違いが出ると、実際の野鳥の撮影においてはビデオ雲台では一枚も撮影できなかったが、ジンバル雲台ではしっかり撮影することが出来たというような大きな差になってくることが予想されます。
また、実際に野鳥を目の前にしての撮影では少なからず平常心を失いますので、ビデオ雲台のシステムではあせりを生んでさらに大きな差になります。

この野鳥を見つけてからシャッターを切るまでの時間短縮がジンバル雲台を導入する最大のメリットです。野鳥との出会いは一期一会です。
チャンスを逃さないためには使い易い機材がカギになります。撮影の操作の中で一番最初に行う被写体の導入がスムーズに出来なければシャッターを押すことが出来ません。
この実験結果からジンバル雲台の優位性は証明されています。ビデオ雲台で満足されている方も、ジンバル雲台にすることで得られる撮影機会があることを示しています。最高の結果を得るための機材としてジンバル雲台は欠かせない機材といえます。

投稿者 : 2008年07月14日 23:31